エケベリアは基本的に葉挿しで簡単に増やすことができます。斑入りやアルバ系などのエケベリアは葉挿しが難しかったりもしますけどね。以下にやり方や注意点をまとめました。
エケベリアの葉挿しのやり方
エケベリアの葉挿しのやり方は簡単です。安く済ませたいなら100均のトレーを買ってきて、その上に培養土を乗せて待つだけなんです。
あとで芽が出てきたりしたら植え替えたりしますがその程度です(斑入り品種とか種類によっては難しいです。あと、直射日光が当たる乾燥が激しい場所もよくないです)。
強い品種であれば、発芽して植え付けるまでは培養土すらなくても大丈夫だったりします(新聞紙の上などでも可能)。さらに詳しく以下にまとめていきますね。
植物研究家
葉を取るときの注意点!
エケベリアの葉挿し葉の葉をとるときの注意点としましては、葉を取るときに根元からしっかりと取るようにしましょう。
以下の写真のように途中から切れた状態だと発根率が非常に悪くなります。こうなってしまったら葉差しはあきらめた方がいいです。
おすすめは根元から下向きに左右に振りつつ引っ張る方法です。そうするとしっかりと根元から葉が取れます。
以下の写真は葉をエケベリアからとって数週間放置した写真です。キレイに根元から取れた葉からはしっかり根が出てきています。
また、カビなどが心配であれば回収した葉の切断面や、元株の切断面には殺菌剤をぬっておいたほうが安心です。カビでダメにしてしまうのはもったいないですからね。
葉から根が出て少し待つと、根が出ていたところから発芽してきます。
そこから少し経つと、元々あった葉の栄養分を吸収して葉が枯れてきます。そして新しい葉が元気よく生育してきます。
ただ、その前の段階で植え付けるのが無難だと思います。下の葉が付いている時に植え付けた方が環境変化に強いです。
この使用しているエケベリア シムランスの記事は以下のところにまとめています。
安定した覆輪でも斑入り葉挿しは難しい
品種によっても増やしづらいものがあると思いますが、エケベリアの斑入り品種はかなり生育も遅く葉挿しが難しいです。
以下の写真はインブリカータ錦の写真です。黒い点がある方は植物ホルモンを使用しています。植物ホルモンなしのものは発芽していません。
また、発芽してもきちんと斑入りになるかはわからないのも斑入りエケベリアの葉挿しの怖いところでもあります。インブリカータ錦は班無しの子株しかできませんでした。
次の写真はバークレー錦の葉挿し写真です。こちらはキレイに斑入りで発芽してくれていますが、数十分の一でしか発芽してくれませんでした。難しいですね。
こちらは『ムーンガドニス錦』の葉挿し写真。白化個体しか出てきません。葉緑素がないため親の葉が枯れると子株も枯れてしまいます。
以下の写真はエケベリアの交配種である斑入りのグラプトベリア『ティテュバンス錦』です。
エケベリアとは少し違いますが、少し根が出ただけで増殖が難しかったです。斑入り多肉植物の葉挿しは、こういうふうに発根だけで終わり枯れていく場合が多いですね。
なんでも増やせるとは思わず、増やせるかどうかちょっとづつ試してどうなるか見ながら試していくのがいいと思います。
植物研究家
また、発芽しても小さな苗の状態は環境変化に弱いです。環境を整えてしっかり栽培していきたいものです。
エケベリアの葉挿しまとめ
基本的にエケベリアは葉挿しで増やすことができますが、斑入り品種やアルバ系など難しい品種もあります。できるかわからない場合は少量だけ葉を取り試してみることをおすすめします。
無理に葉をとって弱らせてしますなら、胴切りして数を確保しつつ元株から子株を出し増やしていく方向性もありますからね。
エケベリアの葉挿し苗はいつ植えればいい?
エケベリア葉挿し苗ができてきたけど、どのタイミングで植え付ければいいかわからない。ネットで色々見ていても、葉挿し苗をどの段階で植えつければいいのかわかりやすい情報がなかった。
というわけで、どの段階で植え付ければいいかを知るために、葉挿し苗の時期別植え込み比較試験を行ってみました。
エケベレリアの葉挿し初日
葉をとってから以下の3点まで成長したものを比較することにしました。とりあえずしっかり成長したものが一番生育が早いはずですがどうなるやら。
20日以上経過した写真
根だけのものは1ヵ所芽が出てきてるが、かなりスピードは遅い感じがする。芽をしっかり出すためには発芽部位にしっかり日光が当たるのが必要な感じだ。
また、小さな芽の段階で植えたものが、元々しっかり芽が出てきていたものと同じかそれ以上に大きく育ってきている。
40日以上経過した写真
さらに時間が経過すると、あきらかに少し芽が出た段階で植えたものの生育が一番いいということがわかりました。
【根とある程度しっかりした芽がでていたもの】
少し芽が出た段階で植え付けよう!
エケベリアの葉挿し苗を植え付ける時期は少し芽が出た段階で植え付けるのがベストですね。芽が出る前に植えると芽が出た後の成長がいいですが、発芽率が悪く生育がスタートするまでの時間も遅いです。
ですが、あまりにも乾燥したり日光が当たるような環境であるなら出た根が傷んでしまうため、最初から植え付けておいた方が良さそうです。
エケベリア葉差し苗の水やり頻度に注意!
エケベリアの発根し始めは弱い根が出ます。しっかり水やりなどを行わないと根がダメになってしまいます。
一度根がダメになってしまうと、次の根が生えてくるまで待つ必要性があります。また、次の根が出ず枯れてしまう可能性もあります。
植物研究家
私も以前作ったエケベリアの苗を乾燥で痛めてしまい生育を遅らせてしまったので、注意点を書いておこうと思います。
葉挿しや胴切りでしっかり芽や根が出て小苗ができても、水やりを失敗して枯らしてしまうと悲しいですよね。
親の葉がなくなった苗の水やりは頻繁に!
親の葉が枯れてなくなった小苗は特に乾燥に弱いです。以下の写真のように、元の葉がなくなってしまうと、少しの水分切れで枯れてしまいます。定期的な水やりをしっかり行いましょう。
また、最初から葉を土中に埋め込むと発芽率が低くなり初期の成長が遅いですが乾燥に強いです。できる根が乾燥で痛みずらいため、空中で発根させるより安心。
発芽率をとるのか、発芽してからの安定性をとるのか悩ましいところです。
霧吹きで水をあげると安心
発根したての根に大量の水を与えてしまうと根腐れを起こしてしまう可能性があります。少量づつ霧吹きで水を与えるのがおすすめです。私は以下の細かな霧が出る霧吹きを使っています。
底面給水(底面灌水)の注意点!
葉挿しの量が増えてくると、一気に水やりをしたくなってきます。
そんな時は幅広の容器に鉢を入れ、下部を水に浸して下から水を吸い上げさせて水を与える『底面給水(ていめんきゅうすい)』と呼ばれる方法がとられることがあります。
この方法は楽でいいのですが、病気などにかかってしまっている株があると全体に広めてしまう可能性もあります。
やる前に薬剤の知識を得てから行うことをオススメします。
⇒家庭菜園や室内のインドアガーデンにおすすめの農薬や殺虫道具をまとめたよ。
葉差し苗の水やりまとめ
葉挿しや挿し木によってできた小苗は根も弱く、初期は特にしっかりとこまめな水やりが必要。
そして、根腐れを防ぐために霧吹きで少量づつ全体に水を与えれるといいですね。
エケベリアの葉挿しは発根で止まってしまったりなど、葉挿し自体が難しいものもあります。
ですので、いきなり土壌へ挿す場合でも、いくつかは確認のために埋めずに置いておいたほうがいいです。
低温下でのエケベリア葉挿し経過観察
低温下でエケベリアの葉挿しをするとどうなるんだろう? 気になったのでために冬に葉差しをやってみました。
植物研究家
エアコンで最低限の加温がある条件と、玄関に放置して加温されていない条件での葉挿しの生育状態を比較しています。
今回使ったのはシムランスのアッセンシオン(アセッション)。多肉植物は結構高いので、再度買い直しにならないよう増えて欲しいな。
保温有りの冬季エケベリア葉挿し観察
まずは室内での葉挿し状態。エアコンの影響などでまだ紅葉は薄い状態です。かなり個体ごとに差が生じています。
まだ、元の葉が残っている状態のものはキレイにフリルが生じてます。
しかし、元の葉が枯れたものはフリルがなく、かなり弱い状態だ。元々の葉がよくなかったのか、それともまだ根が弱くて栄養不足なのかはわかりません。
上記写真のものもこうなるのか、そしてフリルが回復するのか様子を見て行く必要性がありますね。
そして、鉢のフチで影になっている個体はこの段階から徒長してました。きちんと幅広の入れ物使わないとダメですね。
保温有りのエケベリア葉挿し結論
夕方から夜にかけてエアコンがついて温度が保たれたため葉の色は緑色で元気に成長しました。保温なしのものより遅く葉挿ししたものの、成長は追い抜いてしまいました。
また、下記写真②、④においてはフリルがみられませんが、これは温度的な違いではなく、元の葉がなくなったことによる栄養補給などの要因によるものと思われます。
室内でエアコンなどを用い最低限の保温さえできたら十分葉挿しは可能ですね。暑さで成長が止まり、腐る可能性がある夏場に葉挿しするより安全。
保温なしの冬季エケベリア葉挿し観察
寒い玄関でエアコンなどの保温がない状態での葉挿しです。すでに以下の写真のように元の葉が紅葉してきてますし、子供も白くなってきてます。
こちらはかなり紅葉が進んでます。元の葉も子供もきれいなピンク色になってます。このまま変種として育ってくれないかな〜とか期待してしまいます。
まぁ、温度条件が戻ったら元に戻っちゃうでしょうけどね。植物ホルモンとか使って変異を誘発させたりするのもおもしろそうだなぁ。
保温なしでのエケベリア葉挿し結論
エアコンがなく紅葉したものも少しづつ生育してくれました。下記写真のように11月中に発根までいっているものであれば十分に生育できそうです。
植物研究家
保温なしのエケベリアの状態です。葉の色は白色になり元気はない感じですが、少しづつ成長しています。①、②、⑤が特徴的ですが、寒さによって親の葉がかなり寒さで丸まりました。
低温下でも生育速度は遅いが葉挿ししたものは成長していきます。全く根も出てない状態であれば厳しいかもしれませんが。
いい苗を買ったけど予備がないって人は、葉を数枚だけでも葉挿しして様子を見ていったほうが安心かもしれません。
葉挿しの結論
葉挿しで重要なのは葉をキレイに根元からとることと、できた小苗の水やりをしっかりやることですね! 植え付けのタイミングはズレてもなんとかなります。
そして低温でも葉差しは可能なので大事な植物はしっかり葉差しで予備をキープしておきましょう。
植物研究家
今回使用したエケベリア シムランスや、その他のエケベリア記事は以下のところでまとめています。
⇒【エケベリアの育て方】自己流で育てて失敗する前に見て欲しい栽培の注意点!
エケベリアだけでなく、ハオルチアも栽培している方のためにハオルチアの葉挿しについても以下のところで説明しています。
ハオルチアはエケベリアよりかもやり方次第で葉挿し成功率が大きく変わります。しっかり調べてから挑戦しましょう!