ベリーっていうとブルーベリーやラズベリーなどいろんな種類があるけど、一体どれぐらい種類があるんだろうか? ちょっと気になったのでわかりやすく立性とつる性別に分類しました。
植物研究家
ちなみにベリー(berry)を一般的な日本語に解釈すると、小さくて柔らかい果肉の果実になります。学術的には漿果(しょうか)という分類になりますが、それだと一般的な認識とはズレるんだよね。
立木のベリー類
つる性のベリーは管理が大変なので、まずは簡単に栽培できる立木のベリー類をまとめました。
エルダーベリー(黒色の果実)
小さな果実が固まってなるベリーです。花も飲料に利用できるいい植物ですが、果実は生食には向かず加工用にされます。
海外の落葉果樹ですが結構強く、斑入りのタイプでもグングン成長しました。ただし果実は無農薬だと写真のようにふさなりでならせるのは難しかったです。
植物研究家
また、果実が収穫できなくても花を食用に利用できます。マスカットのような香りのエルダーフラワーティーを楽しむのもいいですね。
カシス(ブラックカラント-黒色の果実)
リキュールで有名なカシス。加工用と生食用の品種があるため、果実を食べたい方は生食用の品種を選びましょう。最近は大実の品種も販売されています。
また、カシスはブラックカラントと呼ばれ、白い実のホワイトカラントや赤い身のレッドカラントもあります。詳しくは以下の記事でまとめています。
植物研究家
ガーデン・ハックルベリー(黒色の果実)
果実の大きさは1cmぐらいの小ささ。ブドウのような感じで固まって果実がつきます。ナス科の植物とあってか生で食べても美味しくなく、ジャムに加工して食べます。
植物研究家
収穫時期は植え付けの時期にもよりますが9月からになります。結実良く収穫量は多め。果実の中までしっかり黒紫色に染まります。
カルシウムの木(赤・黒・黄色の果実)
果重は7〜10g程度、ユスラウメに似た感じの果樹です。ですがカラントのように果実の色が赤・黒・黄色の品種があります。
収穫期は6〜7月なので梅雨のシーズンに当たってしまうのがちょっと残念かな。カルシウムの木というだけあって、果実にカルシウムが豊富に含まれる果樹です。
カムカム(赤・黒・黄色の果実)
果実の大きさは10g程度で赤色の果実。ビタミンCが豊富でアセロラの2倍の量が含まれている。寒さには弱く5度以上が保てないなら栽培はやめたほうがいいです。
現状では楽天やアマゾンでの苗木販売はなく、以下のページの中で紹介している専門店から購入するしかないです。
グズベリー(黄緑色の果実)
カラントとは違いパラパラっと果実がなる感じ。そしてトゲがあるので注意が必要なベリーです。トゲなしを求めるならカラントやカシスを選んだ方がいいですね。
収穫期は6〜7月。暑さには弱いので寒いエリアでの栽培に向いています。緑色の果実がよく掲載されていますが、生食するならほんのり赤みをおびて酸味が落ちた果実を食べましょう。
植物研究家
グミの木(赤色の果実)
グミの実にはいろんな種類があります。一般的には5〜7月に収穫するものが多いですが、中にはアキグミと言って秋に収穫するものがあります。
植物研究家
受粉技が必要になるけど、びっくりグミのような大きくおいしい品種がおすすめです!
またグミの木には斑入りの品種もあります。しかしながら斑入りの品種には果実がならず、庭木として利用するだけのようです。
コケモモ(リンゴンベリー-赤色の果実)
クランベリーとよく似ていますが異なるものです。クランベリーをタテに育つようにした感じ。赤色の小さな果実をならせます。
大きくならない木なのでその点に注意。自家受粉性で晩秋収穫の果実となりまます。
ゴールデンベリー(食用ホウズキ-黄色の果実)
黄色い果実の食用ホウズキ『ゴールデンベリー』。日本でも栽培が始まっています。収穫期は品種や苗の状態にもよりますが8〜10月ぐらいです。
食用ホオズキはゴールデンベリーの他に『キャンディーランタン』や『ハニーゴールド』などいろんな品種が販売中。
植物研究家
シーベリー(黄色の果実)
トゲトゲが多くて栽培は大変。そして果実も酸っぱい。その代わり獣害にあいずらい果樹です。
最近はジュースが人気ですね! 家で育ててフレッシュジュースを楽しむのもいいですが、受粉技が必要なので雄木と雌木の2本必要になります。詳しくは以下のページでまとめています。
⇒【サジージュースが人気!】日本で購入できるサジーの品種と育て方を説明。
ジューンベリー(赤色の果実)
ジューン(六月)との名がついているように六月に実をつけるベリーです。白い花もキレイで観賞用にいいですね。
庭木としても人気があります。ただし、ブルーベリーと同じくイラガの幼虫がくることがあるので注意が必要です!
ストロベリー(赤・白・黄・黒色の果実)
ストロベリー(イチゴ)っていうと赤い果実のイメージですが、最近は遮光した白い果実や黄色・黒色の品種も販売されています。
植物研究家
海外の黒色イチゴはアマゾンで種が販売されていますね。日本であれば黒色に近い『真紅の美鈴』というイチゴがあります。
ハスカップ(青色の果実)
ビタミンEやアントシアニンを豊富に含んでいるハスカップ。一時期有名になりましたよね。
国内のものは基本的に加工用になりますが、海外の品種は暖地で育てれるものもあり、生食できるレベルの甘みもあります。詳しくはこちらの記事でまとめています。
ブルーベリー(青色の果実)
ブルーベリーはアントシアニンを含むということで近年有名になった小果樹ですね。そのまま食べれて自宅でも育てやすいホームフルーツです。
植物研究家
暖かいエリアであれば私のおすすめは『デライト』と『ノビリス(T-100)』との組み合わせです。詳しくは以下の記事にまとめています。
⇒暖地でブルーベリーを栽培するなら、ラビットアイの晩生品種がおすすめ!
ブルーベリーの近縁としては野生種であるビルベリーなどがあります。ビルベリーはブルーベリーと違い、果実の中までアントシアニンで紫色に染まっています。
マルベリー(白色・黒色の果実)
桑のことを海外ではマルベリーといいます。日本のマルベリーは果実色が黒色ですが、海外には白色果実のホワイトマルベリーがあります。
小さな果実が可愛いですが、植物自体は大きく育ちます。私は『ポップベリー』と呼ばれる農林水産省が開発した品種を栽培していました。かなり生育速度が速かったです。だから庭に植えると剪定が大変になることが予想されます。
植物研究家
ユスラウメ(赤色・白色の果実)
ユスラウメっていうと赤色の果実のイメージがありますが白色の果実をならせる品種もあります。
果実を食べると言うよりも、観賞用の庭木として植えられる場合が多いですね。小さな果実が色付く姿は日本の庭に合います。
ラズベリー(赤色・黄色・黒色の果実)
赤い小さな果実をならせるラズベリー。一本あるとおしゃれな感じになりますよね。斑入りの品種もあります。おすすめは『グレンアンプル』などのトゲなし品種。
トゲがあると管理がちょっと大変なんですよね。収穫の時にケガしたくないですし。また、果実は赤色だけでなく黄色や黒色の品種があります。詳しくはこちらの記事にまとめています。
⇒【ラズベリーの品種と育て方】イエローやブラックなどいろんな色の果実が楽しめます♪
つる性のベリー類
つる性のベリー類を以下にまとめました。半つる性のベリーもこちらにまとめています。
クランベリー(ツルコケモモ-赤い果実)
赤い小さな果実がかわいいクランベリー。だけど果実はすっぱいの生殖ではなくジャムなどにして食べます。樹高はあまり高くならないため、鉢植えにして育てるのがおすすめです。
植物研究家
大量に育てて収穫する場合は、以下の動画のように水につけて浮き上がったところを収穫します。海外は効率化されていますね〜。
ブラックベリー(黒い果実)
つる性のベリーといえばやはりブラックベリーが有名ですね。ブラックベリーは増えやすいので一本あれば充分なのも経済的でいいところ。熱いエリアでも元気に育ちます。
私はトゲなしの大実タイプを購入しましたが、枯らす方が大変だと思います。まさに管理できないなら植えてはいけない植物の一種ですね。
⇒【注意!】これだけは庭に植えてはいけない危険な植物と困ったときの対処方法
果実は生食もできますが甘みはそこまでなくあまりおいしくありません。できればジャムなどに加工するのがおすすめです。
ボイセンベリー(赤黒色の果実)
ボイセンベリーはブラックベリーに似ていますがブラックベリーの血を引く交配種です。ローガンベリー(ラズベリー✖️ブラックベリーの交配種)と北米のデューベリー、ラズベリーなどとの交配によりできたと考えられています。
植物研究家
つる性ですがトゲもなく、小さなタネはありますが果実を生食できます。赤黒い果実で成分としてはエラグ酸やアントシアニンを多く含有。
日本では滋賀県の安曇川町が産地化しています。だからある程度暖かいエリアでも充分栽培できるベリーですね。世界的にはニュージーランドで主に栽培されています。