【組織培養で大量増殖!】植物の無菌操作に必要な道具の種類と価格を簡単に説明。

クリーンベンチの写真

増やしにくい植物を増やすなら組織培養を使うのが一番。現在では多肉植物などでも無菌操作が行われています。

昔は無菌培養するなら無菌空間を作る基本的にクリーンベンチという装置が必要でしたが、最近は簡易に無菌操作できるセットも出ています。

無菌培養作業中の植物写真

私も学生時代や研究職の時に無菌操作を行なっていましたが、私生活でも趣味を楽しむために小型のクリーンベンチを試しに購入しました。

これから再度無菌培養をするための道具を揃えると、一体いくらぐらいの価格になるのか気になりました。ですので、無菌操作に必要な道具類と価格を調べまとめました。

クリーンベンチを使わないヴィトロプランツ

多肉植物の組織培養写真

ヴィトロプランツというところが安価な無菌培養技術を開発しています。この方法であればクリーンベンチやオートクレーブが必要ありません。

ヴィトロプランツ

お試しキットは無料ですので、とりあえず手に入れて試してみるとおもしろいですよ。

無菌培養作業中の植物写真

一般的な組織培養用の無菌操作道具

一般的に無菌培養するとなると無菌空間を作れるクリーンベンチなどを購入します。以下にまとめますが総額がかなり高くなることだけは覚悟しましょう。

植物研究家

10万以下ではできません。ちょっと趣味で始めるには難しい金額だね。

小型クリーンベンチの種類

クリーンベンチの写真

クリーンベンチは大型のものだと安いところを探しても50万以上。大体は100万円かそれ以上してしまいます。

趣味レベルならそこまでのものは必要ないですので、現在販売されている小型のクリーンベンチを調べました。

クリーンベンチCT-600AD

小型で最も安いレベルだと大体10万円を少し超えるぐらいで購入できます。しかし、スペース的に量が多いとちょっときついかもしれません。

クリーンベンチCT-600AD

サン・オートクレーブ SUN-1500

無菌操作をするなら、機材を無菌状態にする必要性があります。例えば120度2気圧で20分など、菌を殺して滅菌状態にします。

この作業を行うのにオートクレーブという道具が必要です。これを小型で探しても20万円ぐらいと結構な値段がします。

サン・オートクレーブ SUN-1500

卓上用バーナー

クリーンベンチで無菌空間を作っても、使用した道具を殺菌しながら使わないとリスクが大きいです。

そのため、一般的にクリーンベンチ内にバーナーを引き入れ、火で道具を殺菌しながら作業することになります。バーナーは数万円程度します。

卓上 バーナー 研究

培養容器

無菌培養するなら無菌にした容器が必要になります。培養フラスコや、シャーレに入れて培養するのが一般的です。

ピンセット

植物体を手で触るわけには行かないため、基本的にピンセットを使って作業します。好みがありますが、曲がったタイプが使いやすくてオススメです。

カット用のメス

クリーンベンチ内でカットするときは、バーナーで滅菌しながらの作業となります。ですので金属製のメスハンドルに替え刃を付けて使用します。

薬品類

道具や場所の殺菌のために消毒用エタノールを、素材の殺菌のために次亜塩素酸ナトリウムを無菌操作では使います。

次亜塩素酸ナトリウム

培養培地

無菌培養するなら栄養分を含む培地を作る必要性があります。水に溶かすだけでできるパウダーを利用するのが一般的ですが、手に入れれないかもしれません。

そんなときは、市販の液体肥料とココナッツミルクなどを組み合わせて作るのも一つの手です。

多肉植物におすすめの肥料をマグアンプを中心に紹介! 種類や効き方の説明

培地は寒天を使用してしっかり固めましょう。寒天を加えず液体培地で培養もできます。

しかし、順化(外部環境になれさせる)が難しく、大量培養や成分抽出を行う場合などでない限りやらない方がいいです。

あとは成長点をとって生育のいいウイルスフリー個体を作ったり、カルス化させるなどして突然変異を起こしたいなら植物ホルモンを利用する必要性があります。

植物ホルモンの種類と多肉植物への使用例

カルス化や個体再生するための最適な濃度設定は大変ですが、いい植物体を作り出すには必要な作業となります。

その他の培養道具

上記の道具以外にも『ろ紙』・『アルミホイル』・『薬包紙』など、必要に応じて使うものがあります。その辺は個人の好みによるので省略いたします。

代用品で安く無菌操作するための道具

さすがにクリーンベンチやオートクレーブを購入して無菌培養を始めようとするとあまりにも金額が高くなってしまいます。

ですが、趣味のレベルならクリーンベンチの代わりにアルコールランプ。そしてオートクレーブの代わりに圧力鍋で培養を行なっている方々もいます。

現在ならアルコールランプと次亜塩素水、そして圧力釜などの組み合わせなどでなんとかできそうな気もします。ただ、安く済まそうとするとそれだけコンタミのリスクは増えるだろうなぁ。

次亜塩素水の写真

ですが、昔の人は野外で採取した植物を設備がないところで無菌化したい場合は、アルコールランプと次亜塩素酸ナトリウムで対応してたようです。

次亜塩素酸ナトリウム

そういうのを聞くと、今の状態ならなんとでもなりそうな気分になります。

植物の組織培養まとめ

お金に余裕がある人や、無菌操作の経験者はクリーンベンチを購入したほうがいいです。しかし、試しにやってみたいというレベルでは設備が効果なので、ヴィトロプランツなどを試してみるのをおすすめします。

多肉植物だと、ハオルチアや増殖が難しい斑入りのアガベ『ピンキー』などが無菌培養での増殖を試されています。

雨避けで育てたいアガベの斑入り品種

植物研究家

果樹だとバナナなんかが組織培養されていますね。

私もかなり昔に趣味で小型クリーンベンチ買ったけど、仕事などで忙しくてほとんど結局使わなかったな。

もったいない。もうフィルターとかダメになってると思うけど、またいつか余裕がでたら多肉植物の培養とか挑戦して見たいな。研究していた時代が懐かしぃ。。。