斑入りエケベリアの中でも特に人気なのがルノーディーン。だけど湿気などに弱くちょっと栽培が難しいエケベリアです。
ここではルノーディーンの紹介だけでなく、枯らさないために注意してほしいポイントと、枯れかけてきた時にやって欲しい胴切り対応などをまとめています。
植物研究家
ルノーディーンとは?
エケベリアのルノーディーンとはどんな品種なのか調べてみました。アメリカのカルフォルニアで発見された品種のようです。
セクンダ(secunda)交配種の斑入りと想定はされているが、こまかな詳細は不明です。また、高温多湿に弱いという情報が多く、栽培は難しいようです。というわけで今まで購入していませんでした。
また、『ルノーディーン(Lenore Dean)』と呼ばれることが多いですが、本当の名は『コンプトン カーセル(Compton Carousel)』と言います。
ルノーディーンの形状
まずはルノーディーンを上から見た写真。丸っこい葉が特徴ですね。株によってとんがり気味のものもありますが、丸っこいのをレポスの多肉村で選んで購入しました。
私は最初『レポスの多肉村』で購入しましたが、ある程度一般的な品種であればフラワーネットで購入するのもオススメです。
(レポスの多肉村はキレイで希少な品種がありますが、輸入苗のため根がない状態のものが多いので。)
次にルノーディーンを斜めから見た写真。表も裏も綺麗な斑入りとなっています。
横に近い状態で撮影した写真。しっかり裏側も全体に斑入りとなっているので、しまっている時の姿も美しいです。
ルノーディーンの拡大写真
ルノーディーンの拡大写真を撮ってみました。まずは中心部の写真。しっかり斑入りのかわいい葉が詰まっています。
ですが、この状態だと水がたまりやすく水滴を避けないと腐ってしまう可能性がありますね。高温多湿に弱いというのはそういう面でも言われているかもしれませんね。
次はルノーディーンの葉先状態。先ほども書きましたが個体差で少しとんがり気味の個体もあります。個人的には丸っこい方が好きです。
斑の入り方は裏も表もほぼ同じですね。また、葉っぱごとに斑の入り方は少しづつ違っています。
ルノーディーンとインブリカータ錦との違い
『ルノーディーン(Lenore Dean)』と『インブリカータ(Imbricata)錦』は同じではないかと書かれているところがありました。ですので比較写真を以下に載せておきます。
斑の入り方は同じような感じですが、形状に差があります。ルノーディーンは葉先が丸く根元がしまっている感じです。そしてインブリカータ錦は葉先が角ばっていて、根元までスッと直線状に伸びています。
ルノーディーンの葉挿し
ルノーディーンの葉挿しに挑戦してみることにしました。基本的なエケベリアの葉挿しについては以下のところでまとめています。
⇒【エケベリア】葉挿しを失敗しないようにやり方を説明。枯らさないよう水やりに注意!
まずはルノーディーンの現状確認です。根っこがほとんどなく葉も少ししおれています。
拡大するとこんな感じです。根っこが生えて、葉がしっかり戻ってからにしようと思いましたが、そこまでの回復は秋になりそうなのでやってしまうことにしました。
こんな感じで葉挿し用の葉を回収しました。葉の水分が少なく、触ると曲がってしまったりしました。
斑入りエケベリアは増殖が難しいため、植物ホルモンの力を借りることにしました。植物ホルモンを使うものはマジックでマーキングしていきます。
こんな感じで日陰に置いて様子をみてみようと思います。ただ、植物ホルモン使っても葉挿しで増やすのは難しいだろうなぁと思っています。胴切りして子吹きさせるのが一番かもしれません。
様子を見てましたが、うまく芽を出すことができませんでした。追加で加えてものも発根するのが精一杯でした。これはしっかり条件設定を考えないと難しそうですね。
ルノーディーンの胴切り
根がない状態だったのでなかなか胴切りできなかったのですが、ある程度成長してきたので胴切りしてみることにました。
やってみたのは暑くなり始めた6月始め。根もまだ少ないだろうし10月ぐらいまで待つのがいいとは思いましたが、逆にこれぐらいの時期にやっても夏を超えれるぐらいの強さがあるのか確認してみようと思いやってみました。
ルノーディーンを鉢から取り出してみると根が少しづつ増えてきていました。
試しに葉の部分を全てカットしてしまおうかと思いましたが、無難に少量残す形で対応することにしました。
地上部は室内の明るい場所に移動させ、棒を二つ並べて宙に浮かす形で発根させます。過去のカビ事件で培地に置くのはある程度発根させてからにするようにしました。
根っこの方はこのように植え直し、遮光した外部環境で様子を見ていくことにしました。うまく発芽してくれるか様子を見ていこうと思います。
ルノーディーンの発根
胴切りして挿し木にするため置いておいた地上部から発根がみられました。6月初めで温度条件がちょうどよかったのか、約10日で発根が確認できました。
しかしながら地下部の方からは発芽が見られませんでした。発芽系の植物ホルモンや、時期の検討が必要ですね!
ルノーディーンの越冬
冬がきたので12月にルノーディーンを室内に取り入れました。冬場は外置いておくと寒さで枯れるか成長が止まるので、室内で様子を見ることにしました。
12月の状態は以下のように葉が横向きで、小さな葉が増え続けているような状態でした。
2月になると、葉がかなり大きくなってきました。葉数が増えるより、株が一回り大きくなるような感じです。室内のため、光の方向にちょっと株が傾いてしまいました。
3月になり暖かくなってきたため外に出すことにしました。サイズも一回り大きくなり、葉数も増えだいぶしっかりとした株になりました。
しかし、重さと日光条件によってかなり傾いてしまいました。子株ができたら一度胴切りしてやり直した方がいいかもしれません。
葉が上向きになりキレイになってきたので、もう少ししまった株になり見た目がよくなることに期待してます。
発芽後の胴切り
ルノーディーンが大きくなり茎の部分から芽が出てきました。これなら胴切りしても大丈夫だと思い、再度胴切りに挑戦してみました!
胴切り後のルノーディーン下部の写真はこのような感じです。斑入りの部分が多いので、カットして日に早く当てて葉緑素を出したいという気持ちもありました。
胴切りしたルノーディーンの上部写真です。すでに茎から発根がみられるので、切り口を数日乾燥すれば植え付けることができます。
少し直射日光に当てすぎた影響か葉が少しダメになりましたが、半日陰に戻し無事に子株が大きくなってきました。ここまで育つと安心です。
しかしながら、斑入りの状態はよくなかったです。斑入りが安定した株であればいい斑入りがで出るのかもしれませんが、キレイな斑入り株を出すのは難しい品種なのかもしれません。
胴切り後、順調に育っているルノーディーンの上部写真です。こちらのほうは生育にまったく問題なさそうです。
ルノーディーンの胴切りはある程度成長して子株がでるまではやらないのが一番だとわかりました。無理に胴切りして枯らさないようにしましょう。
ルノーディーンの育て方注意点!
ルノーディーンの育て方で注意点が2点あります。一つは夏場に雨の後の直射日光にあてないこと。以下の写真のように蒸れて枯れてしまいます。
植物研究家
もう一つは成長は早くて強いと勘違いしてしまいがちなルノーディーンですが、意外と病気などに弱いです。以下のような感じで枯れかけてしまったため胴切りして復帰させました。
枯れかけたルノーディーンの回復作業
枯れた葉を取り除いた後に殺菌剤を散布しないでおいていたらそこからルノーディーンが枯れ初めてしましました。枯葉除去のあとも薬剤の散布は必要ですね。
殺菌剤をかけても復活はせず。一か八かで胴切りして下記の写真のように殺菌剤をスプレーして培養土の上に置くことにしました。うまくいけば発根して復活するはず!
様子をみていたら無事に発根して復活しました。ルノーディーンは意外と強い子ですね。小さい株になってしまったけどこれもまたかわいいものです。
子株になった株が少し大きくなり、キレイな姿に戻ってきたので動画撮影しました。全体的な姿をチェックしたい方はこちらを見てください。
ルノーディーンの栽培まとめ
ルノーディーンは高温多湿に弱く、栽培が難しいという話ですがこのキレイさゆえに栽培したくなってしまいますね。
その他のエケベリア斑入り品種は以下のところに書いています。
あと、その他の斑入り多肉植物や、その他のエケベリア記事は以下のところでまとめています。