多肉植物を栽培していると培養土には気を使います。乾燥したエリアを原産とするものが多く、水はけが悪いものを使うと根腐れする可能性がありますよね。
助手のハム
ですのでおすすめできる市販の培養土の種類と、自作で培養土を作る場合の素材と道具をまとめてみました。
植物研究家
いい培養土の配合を覚えると少し成分を変えて他の植物にも使えます。私も多肉植物の培養土を自分で配合し始めてから果樹やハーブの培養土も作り直して使うようになりました。
培養土で植物の成長がグッと変わるのがわかると培養土作りもおもしろくなりますよ。ぜひ試してみてください。
市販されている多肉植物用培養土の種類
ネットやホームセンターで購入できる多肉植物専用培養土の種類をまとめました。多肉植物初心者の方はまずはプロがいい状態に配合した市販されている培養土を使用することをおすすめします。
植物研究家
プレミアム培養土-杉山拓巳氏
有名な栽培家『杉山拓巳氏』による培養土。固めのいい素材を使い、根を分岐させやすくした培養土になります。高級な苗を植え替える時に使いたいですね。
多肉植物用ゴールデン粒状培養土
粒状で根張りがよいだけでなく、作業時に自分が汚れることも抑えれる培養土。最近はこれに硬質赤玉土と土壌改良剤を加えて使用しています。
プロトリーフ サボテン・多肉植物の土
以前よく使用していました。少し水持ちがいいので、水分要求がある程度あるような多肉植物におすすめです。
サボテン・多肉植物の培養土-刀川平和農園
刀川平和農園の培養土。鹿沼土、軽石、赤玉土を主体とした配合がされている培養土です。根腐れ防止材も入っているようです。
さぼてん多肉植物の土-花ごころ
花ごころさんの『さぼてん多肉植物の土』です。軽石を主に使っているようです。また、バーミキュライト、パーライト、ゼオライトなどを含んでいます。
自分で作る培養土の作り方と配合比率
ある程度多肉植物栽培になれ、数も増えてくると培養土を自作したほうが安上がりです。さらに植物ごとにあった調整ができるようになります。
植物研究家
ここでは私がたどり着いた多肉植物用培養土の配合例をまとめていきますね。
オリジナル培養土の作り方
私は値段が安く通気性と機能性が高い培養土を作るために『ゴールデン粒状培養土』と『硬質赤玉土』をメインとし、そこからピートモスや土壌改良材を入れる形の組み合わせをしています。
植物研究家
配合比率は『ゴールデン粒状培養土』が4、『硬質赤玉土』が2、『ピートモス』が1、『土壌改良材(ゼオライトなど)』が少々といった感じです。
作り方は以下の通りです、まずゴールデン粒状培養土を混ぜ合わせるための容器に入れます。今回は少量しか作らないため大きめの鉢を使いました。
そこに硬質赤玉土を入れます。この組み合わせだと価格も安いですし、『ゴールデン粒状培養土』のペレットが崩れやすくて通気性が悪くなる点を『硬質赤玉土』が補ってくれます。
栽培には硬質赤玉土より通常の赤玉土の方がいいという方もいますが、『ゴールデン粒状培養土』を使用する場合は保水性より形を維持して通気性を高めたいので、個人的にはこちらがオススメ。
次にピートモスを入れます。ピートモスの発根能力はすごくて最近は必ず入れるようにしています。入れすぎると乾燥に弱いので入れすぎに注意!
最後にゼオライトなどの土壌改良剤を入れます。多肉植物は水を入れすぎたときの根腐れが怖いですからね。
スコップで混ぜ合わせるとこんな感じになります。スコップはコンポストスコップがあると便利です。
フルイで粉をとった方がいいという話もありますが、そうすると乾燥しすぎるので、赤玉土を入れることで通気性の保持と乾燥能力を持たせています。
多肉植物を自作培養土で植え替えてみよう
例として、今回は『星美人錦』という多肉植物をこの培養土を使って植え替えてみましょう。
鉢を軽く上下に何回か叩いて土をほぐします。その後ゆっくりとトレーに倒し、軽く叩きながら星美人錦を取り出します。
鉢に先ほど配合した培養土を軽く入れます。小さい鉢であれば底石や鉢底ネットがなくても大丈夫です。穴が極端に大きければ話は別ですが。
その上に星美人錦を指で支えながら配置し、横から培養土を入れていきます。今回は細長く徒長した株だったので深めに植え付けました。
あとは水をたっぷりかけて完成です。ここでしっかり水をあげれば余分な培養土の粉も落ちますよ。
培養土は自作できたら自作した方が安いですが、植物に合った割合を初心者が調合するのは難しい。
そして、あまり量を使わないのにいろいろなものを購入していたら逆に値段がかかるし場所もとってしまいますよ。少量栽培ならこれで十分。
植物種だけなく場所でも変える培養土成分
私が作成している培養土例を記載しましたが、植物種や場所によって以下のように成分を部分的に変えることで対応が可能になります。
植物研究家
助手のハム
培養土配合素材
栽培経験がついてきたら培養土も自作してみたくなりますよね。一般的な素材を以下にまとめておきます。
赤玉土
関東にあるローム層という地層からとれた土を乾燥させたものです。弱酸性。普通の赤玉土を使用してもいいのですが、高温で焼いた硬質赤玉土というものがあります。崩れやすい赤玉土が焼くことで崩れにくくなり、長期間使いやすくなります。
植物研究家
鹿沼土
栃木県鹿沼地帯で取られる軽石。酸性です。赤玉土と組み合わせて使われることが多いです。こちらも赤玉土同様に硬質のものがあります。
果樹などの挿木にも使えるため、いろんな植物を栽培しているなら持っておきたい一品です。
軽石
地表に流れ出た溶岩が冷めて乾燥したものが軽石です。内部の水分が発泡することにより多孔質になっています。鹿沼土も軽石ですが、有名ですので別に分けました。
鉢底石としてもいいし、混ぜ合わせてもいい。一袋は維持しておきたい結構万能な石です。
バーミキュライト
蛭石(ひるいし)を加熱処理して膨張させたもの。pHは中性〜弱酸性。パーライトより保水性が高い。
単体で使うと発根がよいケースが多いです。ハオルチアの胴切り後などに使用すると改善する場合があります。
植物研究家
パーライト
ガラス質火山岩(黒曜石・真珠岩)を加熱処理し膨張させ作られる。弱アルカリ性。保水性はバーミキュライトよりなく、そのぶん排水性が高く軽い。
使う方も結構いますが、私はバーミキュライトのみで十分だと思っています。値段もちょっと高めですしね。
くん炭
低温度でもみがらを焼いたもの。形状がしっかりしており、水はけや通気性を保つのに役立つ。pHはアルカリ性。
ひとつまみだけ入れておくと気分的にも安心の一品。微生物の住処にもなってくれますよね。
腐葉土
樹木や草木の葉や枝が堆積し、微生物の力で分解されたもの。pHは中性。動物のフンなどを入れて成分調整されているものなどがある。
小型の多肉植物に使うのは見た目的にもあまりお勧めできません。もし使うなら小さく砕いてから入れましょう。
ココピート
ココナッツの繊維分を発酵させたものピートモスの代わりに使われるようになった製品。ココナッツピートやココピートと呼ばれる。
ピートモスは乾燥させると再度水を吸収させるのが大変なので、こちらに期待しています。
根腐れ防止材などの土壌改良剤はこちらに別途まとめています。
→多肉植物におすすめの肥料をマグアンプを中心に紹介! 種類や効き方の説明
培養土作成道具
培養土を自作する時にあるといい道具をまとめてみました。自分が持っている植物にあった調合を見つけ出したいですね!
ステンレス土ふるい
直径30cm、高さ8cmのステンレス製土ふるいです。アミは2ミリ、4ミリ、7ミリの3枚付属。排水よくするために、細かな粉などはこれで除去しておきたいですね。
あまり粉を取り除くと水分の保持が難しくなる場合もあるので、私は配合後に水で粉を洗い流す程度に変更しました。
マスク
いろいろなものを混ぜ合わせていると粉塵が舞います。気管系を守るためにしっかりとマスクをしましょう。
手袋
いろんなものが入っているため、しっかり手袋を着用して手を保護しましょう。
挿し木・種まき用土
種まきや挿し木は小粒の鹿沼土や赤玉土を単体で使ってもいいですが、種まきは専用の用土を使用するのが無難です。私はプロトリーフの『挿し芽・種まきの土』を使用しています。
安い培養土は問題あり! 失敗する前に見てね
注意して欲しいのですが安い培養土は買わない方がいいです。私も安さを求めてホームセンターで一番安い培養土を買ったりしていた頃があります。
植物研究家
ですがそれから時がたちいい培養土を使ってみて驚いたのが植物の成長の違い。ベトベトの水はけが悪く重い培養土と比べると病気にかかる率も全然違います。
自分で培養土を配合するようになるとわかるのですが、本当によくない培養土は通気性のいい素材などをいろいろ加えても改善するのが難しいです。
助手のハム
植物研究家
もし使うとしても少し試しに購入し、通気性や排水性がある程度しっかりしているか、また匂いなどがないかを確認してから使い始めることをおすすめします。
多肉植物の培養土まとめ
多肉植物用の培養土といってもいろいろな種類がありますね。市販のものをそのまま使うのもいいし、それをアレンジして使うのもありです。慣れてきたら全て自作するのも面白いですね。
それ以外に多肉植物に使いたい肥料や防除資材(消毒など)は以下のところにまとめています。