
筋トレなどで植物性タンパク質などが注目されていますが、植物が含有する栄養素はそれだけではありません。
いろいろな栄養素を含んでいる植物。そんな栄養成分についてにまとめました。長文になりますので、目次から必要な部分を読むことをおすすめします。
植物性タンパク質と動物性タンパク質の違い
植物性タンパク質と動物性タンパク質の大きな違いは重量あたりに取れる量が大きく異なることがもっとも大きな違いです。
豚や牛のモモ肉や、鳥のムネ肉のタンパク質量が100gあたり20g前後あるのに対し、植物性食品はかなり低くなっています。
タンパク質量が多いとされる大豆でも100gあたり8g程度とかなり少なく、大体のものは5g前後となっています。
タンパク質だけじゃない栄養素
しかしながら、栄養素はタンパク質だけではありません。いろんな栄養素が過不足ないと人間は生きていけません。
植物性タンパク質を摂取した場合、動物性タンパク質よりタンパク質量の摂取量が低くなるのはしかたありません。
その代わり、食物繊維がとれるメリットや、油分を取ることを抑えれるといったメリットがあります。
タンパク質って?
そもそもタンパク質って何だろう? そして筋トレのときにタンパク質を取るといい理由って何?
その辺を説明したいと思います。まずタンパク質が何でできているか説明しますと、タンパク質はアミノ酸が酵素によっていくつもつながってできたものなんです。
アミノ酸を最小単位として、それが二つ以上くっついたものが『ペプチド』と呼ばれます。
そして、さらに多くのアミノ酸がくっつきたものが『タンパク質』と言います。そのアミノ酸の数は多いと数万レベルまでいきます!
反応を触媒する酵素
酵素はタンパク質を主に構成成分とする、反応を触媒(他の物質の反応を早くしたりする物質)する物質です。
この酵素がアミノ酸をくっつけてペプチドにしたり、タンパク質にしたりします。逆にタンパク質を分化してアミノ酸に戻したりもします。
筋トレの時にタンパク質をとったほうがいいというのは、筋トレで筋肉を切って再構築する時に材料となるアミノ酸が必要になるからなんですね。
摂取されたタンパク質は胃や小腸の酵素で分解されます。そして小腸から吸収され、筋肉などの材料となるわけです。
アミノ酸って。
アミノ酸がつながってタンパク質ができているこがわかりましたが、そもそもアミノ酸ってどんなものか。そしてどんな種類があるのか以下に説明します。
まずアミノ酸はアミノ基とカルボキシル基を持つ有機物質のみでできた化合物とか言ってもわかりづらいと思います。
水の分子量が18でアミノ酸の分子量が100〜200程度なので、それぐらいちいさなタンパク質などを構成する物質と理解してもらえれば十分だと思います。
アミノ酸の種類と必須アミノ酸
タンパク質は20種類のアミノ酸からできています。そのうちの9種類が必須アミノ酸と呼ばれています。
【必須アミノ酸】
・イソロイシン
・スレオニン
・トリプトファン
・バリン
・ヒスチジン
・フェニルアラニン
・メチオニン
・リジン
・ロイシン
分岐鎖アミノ酸(BCAA)であるバリン・ロイシン・イソロイシンは、運動する人は特に重要です。
【非必須アミノ酸】
・アスパラギン
・アスパラギン酸
・アラニン
・アルギニン
・グリシン
・グルタミン
・グルタミン酸
・システイン
・セリン
・チロシン
・プロリン
なぜ必須アミノ酸というのか説明すると、人間はその9種類のアミノ酸を体内で合成することができず、外部から取り込むしかないからなんです。
だから偏った食生活をすると、体を作る成分が偏ってしまいよくないことになるんです。
植物では20種全てのアミノ酸を合成できますが、だからとって野菜を食べていたらいいかというわけではありません。含有しているアミノ酸の偏りがあるからなんです。
アミノ酸スコア
アミノ酸の含有量を気にするなら『アミノ酸スコア』に注目です!
アミノ酸スコアとは、食品中に必須アミノ酸が含まれている割合を示したもので、100が満点となっています。
これが100に近いもの食品ほど必須アミノ酸が取れるわけですが、少なくても足りないものを補い合える組み合わせで食べれば問題ないです。
そうなると、アミノ酸組成を気にしなくてはいけなくなってちょっと面倒にはなりますけどね。
三大栄養素と五大栄養素
人が必要とする栄養素のうちもっとも重要視されているのが三大栄養素と呼ばれるタンパク質・糖質(炭水化物)・脂質の3つの栄養素です。
そして、それにビタミン・ミネラルを加えた五大栄養素も重要です。以下にそれらについてまとめました。
三大栄養素の成分
三大栄養素と呼ばれる栄養素の成分はタンパク質・糖質(炭水化物)・脂質となっています。生命を維持するために必須の栄養素であり、必要量も多い成分です。
タンパク質
タンパク質は上の項で記載したように、アミノ酸が繋がってできたものです。アミノ酸を補給するために摂取する必要性があります。
自分の体のタンパク質に作り変える素材として、多く摂取する必要性のある栄養素となっています。
タンパク質を多く含む食材
肉類や魚類で100gあたり20g前後のタンパク質量となっており、タンパク質だけを見るなら肉や魚を取るのが一番手っ取り早いです。
単純にタンパク質量だけでみると、チーズ類が100gあたり30〜40gのタンパク質量となっています。そして魚卵も20〜30台となかなか高い値となっています。
ですが、なかなかチーズやいくらなどをを大量に食べるのは難しいですよね。金銭的にも。
また、スルメや干物などは見た目はタンパク質量が多く見えますが、これは水分が飛んでしまっていて、高い含有率に見えるだけです。勘違いしないようにしてください。
肉や魚でタンパク質量が高い動物性タンパク質をとり、野菜で植物性タンパク質と他の栄養素をバランスよくとっていくのがよさそうですね。
糖質(炭水化物)
糖質は体内でエネルギー源として利用されています。機械が電気で動くように、人間もエネルギー源の糖質がないと困ったことになります。
脂質を使ったりもできますが、それでも足りない場合はタンパク質を分解して使ってしまいます。体の素材を使ってしまうので、当然体にはよくないです。
糖質には単糖類・小糖類・多糖類などの種類があります。そして単糖類にはいろいろな種類がありますが、植物で作られるフルクトース(果糖)などもあります。
その辺はまた詳しく記述したいと思います。
脂質
脂質は脂肪のイメージがあってダイエットの敵みたいに見られますが、体に必要な栄養素なんです。
脂質は高いエネルギー生産能力をもつだけでなく、細胞の周りを囲む細胞膜などを構成する成分でもあるんです。
大きく見ると、体を寒さから守ったり、臓器を衝撃からまもったりなどの役割も果たします。
動物性脂質と植物性脂質
動物性脂質は主に飽和脂肪酸と呼ばれるものを含んでいます。逆に、植物性脂質は不飽和脂肪酸を主に含んでいます。
飽和脂肪酸とは脂質の炭素の鎖に二重結合がないものであり、不飽和脂肪酸は逆に二重結合があるものとなっております。
簡単な違いは、飽和脂肪酸は不飽和脂肪酸と比べて高い温度で固まりやすいです。焼いた肉が冷めたら、油が白く固まるのを見てるとわかりやすいと思います。
脂質の構造と役割
動物性脂質と植物性脂質で飽和脂肪酸は不飽和脂肪酸があることを説明しましたが、以下に脂質の構造別の区分けと役割を説明したいと思います。
脂質は単純脂質や複合脂質と、それらが分解によって生成される誘導脂質に主に分類されます。
生物がもつ単純脂質は中性脂肪と呼ばれます。中性脂肪だと聴きなれた名前ですよね。エネルギー源となりますが、たまりすぎるとふとるし体によくないです。
また、複合脂質は単純脂質にリン酸や糖類など他の物質が含まれているものです。生物の細胞膜などを構成する成分となる必要な脂質です。
五大栄養素の成分
五大栄養素は3大栄養素に『ビタミン』・『ミネラル』を加えたものを言います。また、食物繊維または水を加えて六大栄養素ともいいます。
ビタミン
『ビタミン』は三大栄養素以外で、微量であるが体に必要な有機化合物をいいます。
その種類は以下のように水に溶ける水溶性ビタミンと、油に溶ける脂溶性ビタミンにわけられます。
水溶性ビタミン
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ナイアシン
・パントテン酸
・ビタミンB6
・ビオチン
・ビタミンB12
・ビタミンC
・葉酸
脂溶性ビタミン
・ビタミンA
・ビタミンD
・ビタミンE
・ビタミンK
ビタミンCであれば特定の果物に多いなど、ビタミンごとに含まれる食物を覚えておくといいですね。
ミネラル
ビタミンは有機物でしたが、微量だが無機物で体に必要なものを『ミネラル』といいます。
さらに、以下のようにミネラルの中でも体に多めに必要な『主要ミネラル』と『微量ミネラル』の二つに分けられます。
主要ミネラル
・カルシウム
・リン
・カリウム
・硫黄
・塩素
・ナトリウム
・マグネシウム
微量ミネラル
・鉄
・亜鉛
・銅
・マンガン
・クロム
・ヨウ素
・セレン
・モリブデン
・コバルト
ミネラルは体で合成できません。不足しないようきちんと摂取していきましょう。
食物繊維
『食物繊維』は6番目の栄養素として取り入れられることもある栄養素です。
水に溶ける『水溶性食物繊維』と、水に溶けにくい『不溶性食物繊維』に大きく分けられます。
体内の老廃物などを取り除くときにだけに役立つというイメージがありますが、それだけでない食物繊維。以下に食物繊維が含まれる食品や、果物などの情報記事のまとめを載せておきます。
まとめ
植物の主要な栄養素をまとめてみました。ですが、植物から得らる栄養素はこれ以外にも色々とあります。
例えば、植物性製品に含まれる『ファイトケミカル』。植物の色素や香りなどの成分です。
そういった情報を、今後もどんどんと書き足して行きたいと思います。